【独立開業】パン屋さんに必要な機械一式を紹介するよ!

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パン職人・ブロガー。就職活動の満員電車で生き方に違和感を感じ「好きなことして生きる」とパン職人に。現在は約5年勤めたパン屋を脱サラし、故郷・鳥取にて「パン工房ほとり」開業準備中。本名は吉田翔太。 お問い合わせ、質問、ご依頼等は各種SNSにて承りますm(_ _)m




こんにちは。ヨシダショウタ(@v_shota_v)です。

パン屋さんの開業に興味があるけど、何が必要か分からない…。

そんな方必見!今回はパン屋さんに必要な機械をまとめました。

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パン屋さんに必要な機械一覧。

必要度 役割
オーブン ★★★★★ パンを焼きます。
パンスライサー ★★★★☆ パンを切ります。主に食パンを切るのに使います。
ミキサー ★★★★☆ パン生地を作ります。
一定量以上で手捏ねは現実的ではありません。
ホイロ
(ドゥコン)
★★★★☆ 発酵器です。温度と湿度を調整できます。
ドゥコンなら冷凍や時間による自動操作が可能です。
モルダー ★★★☆☆ 成形に使います。食パンメインなら必須です。
生地フリーザー ★★★☆☆ 生地の冷蔵、冷凍に使います。
卓上ミキサー ★★★☆☆ 各種フィリングを作るのに便利です。
分割丸め機 ★★☆☆☆ 生地を自動で分割、丸めを行います。
生産量が多いパン屋さんでは必須です。
リバースシーター
(パイローラー)
★★☆☆☆ クロワッサンやパイの生地を作るのに使います。
手作業も可能ですが、一定量以上では必須です。
フライヤー ★★☆☆☆ 揚げ物に便利です。
カレーパンや惣菜パンのコロッケなど。
コールドテーブル
(台下冷蔵庫・冷凍庫)
★★☆☆☆ 作業台の下に設置すると便利です。
コンベクションオーブン ★☆☆☆☆ サブのオーブンとしてあると便利です。

オーブン【必要度★★★★★】

まずは何と言ってもオーブンです。

パンを焼くにはオーブンが必要です。手作りで薪窯を作る!という方は別ですが、ほとんどの方はオーブンを購入する必要があります。

業務用オーブンには大きく分けてデッキオーブンとコンベクションオーブンがありますが、ここではデッキオーブンを指します。

また、オーブンには電気オーブンとガスオーブンがありますが、多くのパン屋さんでは電気オーブンを使用しています。

オーブンを検討する上で気をつけたいのは、サイズ、スチームの有無、炉床の素材です。

サイズ

オーブンを決める上でサイズは重要です。

なぜなら、サイズによって同時に焼ける量が変わってくるからです。沢山焼きたいのにオーブンのサイズが足りなくて焼けない、ということにならないようにしましょう。

サイズの表し方として、◯枚差し◯段、という言い方をします。

業務用デッキオーブンは何段かのオーブンが重ねられているものがほとんどです。その一段に天板が何枚入り、それが何段あるかを表すようになっています。

本当に小さな小さな個人店なら1枚差1段でも。逆に大繁盛店なら、6枚差し4段のオーブンが必要になります。

いずれにせよ身の丈にあったサイズを選ばなければなりません。大は小を兼ねる、という考え方もあります。

スチームの有無

パンを焼く上でスチームの有無が重要になります。特に、バゲットなどのフランスパンを焼く上ではスチームは必須になります。スチームがあるからこそ、クラストが薄くパリッとしたフランスパンを焼くことが出来るのです。

業務用デッキオーブンでは全てスチームを入れることが出来るわけでなく、スチーム機能が無いものもあります。そのため、オーブンを検討する際には、スチーム機能が付いているかどうかを確認する必要があります。

複数段のオーブンなら、スチーム生成器が1段についているもの、2段についているもの…というようにメーカーやオーブンによって構成が異なります。

フランスパンを焼きたいのにスチームが無い、ということにならないようにしましょう。

炉床の素材

炉床(ろしょう)の確認も必要になります。

オーブンの炉床には主に石床と鉄床があります。

天板に乗せて焼くパン(菓子パンなど)の場合は石床でも鉄床でもあまり変わりませんが、フランスパンや大型のパンなど、直焼きしたいパンは石床でないと上手く焼けません。

なぜなら、石床の適度な凹凸によって、オーブンの中で生地がよく伸び、美味しいパンとなるからです。

そのため、バゲットなどのフランスパンやカンパーニュといった大型のパンを焼きたい方は、石床のオーブンを選ぶ必要があります。

こちらもスチームの有無と同様に、複数段のオーブンならそのうち石床が1段だったり2段だったりします。

検討する際は必ずこれらを確認しましょう。

パンスライサー【必要度★★★★☆】

パン専用のスライサーになります。

主に食パンに使います。食パンをスライスして売りたい方は必須でしょう。

好みの厚さをミリ単位で設定することが出来るため、パンの大きさと切りたい厚さに合わせて自由に調節することができます。

フランスパンやライ麦パンなどを切ることも出来ますが、刃が痛みやすいのでおすすめはしません。

ミキサー【必要度★★★★☆】

パン生地を作るのに業務用ミキサーは欠かせません。多くの手作りパン屋さんでは業務用ミキサーを使って生地を捏ねています。

手捏ねすることも不可能ではありませんが、ある程度の生産量となればやはり機械に頼らざるを得ません。小麦粉10kg分のパン生地を手捏ね…想像もしたくないですね。

業務用ミキサーを選ぶ際にはボウル容量、ミキサーの形状に気を配る必要があります。

ボウル容量

ボウルの容量は大事です。なぜなら、ミキサーボウルの容量によってそのお店の生地の生産能力が決まるからです。

ボウルの容量が少なければ、当然一度に生産できるパン生地も少なくなります。もしお客様の求める生産量を作るのに、何度も生地作りから始めるとなると、非常に手間と時間がかかります。

パン作りは時間がかかるので、商売をするには効率よく作業を進める必要があります。一度で済むものは一度で済ませた方が良いのは言うまでもありません。

また、ここでもオーブンと同様に、大は小を兼ねるという考え方もできます。

ただし、ミキサーの場合はボウルが大きすぎるとフックに生地が絡まず、生地を作ることが難しくなってしまいます。そのため、作りたい生地の量に適したボウルを使う必要があります。

形状

業務用ミキサーの形状には、縦型とスパイラル型があります。どちらも多くのパン屋さんで使用されています。

縦型ミキサーの特徴は、アタッチメント(先端部)を用途によって付け替えることが出来る点にあります。

なぜならミキサーの用途はパン生地作りだけでは無いからです。クリーム等のフィリングを仕込んだり、スコーンやクッキー、メロンパンの皮など、パン生地以外にもミキサーを使用して作りたいものが沢山あります。

縦型ミキサーはドゥフック、ホイッパー、ビーターといったアタッチメントを付け替えることで、一台のミキサーで全てやってしまえる、というわけです。

例えばですが、パン生地ならドゥフック、泡立てならホイッパー、バターの撹拌ならビーターといった具合ですね。

それに対してスパイラルミキサーの特徴は、機械の大きさや捏ね時間に対して、作れる生地量が多い点にあります。

スパイラルミキサーはパン生地の捏ね方が縦型ミキサーとは異なります。フックの形状やミキサーボウル自体の回転により、短い時間で大量の生地を作ることが出来るのです。

一般的に業務用ミキサーを一台設置するのなら縦型ミキサーを用意することをおすすめします。パン生地だけを仕込む場合はスパイラルミキサーだけでも構いません。

ちなみに繁盛店ではこれらを併用し、生地作りの担当者が次から次へとパン生地を仕込んでいきます。

ホイロ(ドゥコン)【必要度★★★★☆】

パンを発酵させる場所をホイロといいます。発酵室ともいいます。パンを発酵させるためには、高温多湿の場所を用意する必要があります。

なぜなら、酵母を活性化するため、そしてパンの表面を乾燥させないためには高温多湿の場所が最適だからです。パン生地を良い状態に保つことは、美味しいパンを焼くために大切なことです。

そして、家庭でパン作りをしたことがある方はご存知と思いますが、この高温多湿の場所を用意するのは簡単ではありません。温度と湿度を手作業で調整するのは非常に難しいことなのです。

それを解決してくれるのがホイロです。温度と湿度を設定するだけで、自動で庫内の状態を調節してくれます。温度と湿度は微調整が出来るので、パンの種類によって使い分けることも出来ます。

例えば標準的なホイロの設定温度は32~35℃くらいと思いますが、28度に設定しておけば長時間発酵による風味の良いフランスパンを作ったり、クロワッサンのバターを溶かさないようにすることが出来ます。

ただし単なるホイロの場合には、冷蔵・冷凍や時間による自動操作は出来ません。

そういった機能が必要なら、ドゥコンを導入する必要があります。

ドゥコン

ドゥコンはドゥコンディショナーの略で、庫内の温度を冷凍からホイロまで幅広く調整することが出来ます。また、時間による自動制御が出来る点も大きな特徴です。

パン生地を前日にドゥコンに入れて一晩冷凍させ、決められた時間が来たらホイロに自動で切り替わり、朝スタッフが出勤すると同時にパンを焼くことが出来るわけです。

これによってパン屋さんの早起きによる負担が大きく軽減されたわけです。

また、好みの温度に設定しておけば、単に生地用の冷蔵・冷凍庫としても使うことも出来ます。

このように良いこと尽くめのようなドゥコンですが、弱点もあります。それは、ドゥコンに入れるとパンの品質が下がる可能性があることです。

パンを成形した状態でドゥコンに入れて冷凍すると、どうしても表面が乾燥してしまったり、梨肌と言われるブツブツが出てしまったりします。これを防ぐために生地改良材などを使うこともありますが、できるだけ使用は避けたい方も多いと思います。

もちろん製法やパンの種類、ドゥコンの設定の仕方によって結果は大きく異なります。品質にこだわりのある職人の方は、ドゥコンは使用しないと割り切っている方もいらっしゃいます。

いずれにせよ、自分の考え方に合わせて導入する必要があります。

モルダー【必要度★★★☆☆】

食パンの成形に欠かせないのがモルダーです。食パンを大量に焼くパン屋さんでは必須の機械になります。

なぜなら、食パンの成形の手間を大きく減らすことが出来るからです。モルダーに生地を通すと、自動で生地をガス抜きして好みの厚さに伸ばし、それをベルトで転がして丸めてくれます。

これを手作業でしようとすると、非常に手間がかかります。食パン1斤に対して生地のまとまりを2個入れる場合を考えても、3斤型12本成形する場合で36個の生地を成形しなければなりません。

まして食パンが人気のパン屋さんや食パン専門店の場合、一日に3斤型12本という生産量では全く足りません。サンドイッチ用の食パンを焼く場合や、カフェなどへの卸売をするパン屋さんも同様です。

このような理由で、食パンを大量に焼く予定の方は、是非検討をおすすめします。

ちなみにですが、モルダーを使用するとガス抜き作業だけを行うことも出来ます。

めん棒がけの作業を代用することで、そういった成形が多い場合もかなり楽になります。例えば、あんパンの餡を包む前に生地を伸ばす作業を、モルダーを使って効率よく進めることが出来ます。

生地フリーザー【必要度★★★☆☆】

生地を冷蔵・冷凍し保管するために使います。普通の冷蔵庫や冷凍庫と異なるのは、生地を冷やすために専用のバットを挿せる形状になっていることです。このバットの上に生地を乗せて保管します。

前日に生地を仕込んで分割し、丸めておいた生地を冷蔵庫で保管して次の日に使う、というのが一般的な使い方と思います。これにより、好みのタイミングで成形することが出来るようになります。

例えば、朝7:00に起きてすぐに生地を成形すれば、成形と二次発酵と焼成に2時間かかったとしても、9:00にパンが焼きあがるわけです。これを朝7:00から生地を作り始めるのでは、焼き上がり時刻が大きく異なります。

パン屋さんにとって、パンの焼き上がり時刻は非常に大切です。

また、パン生地は低温で長時間発酵することで熟成が進み、老化(パンの劣化)を遅らせたり、風味を改善して味わい深いパンにする効果も期待できます。フランスの最先端の職人も、フランスパンの生地を一晩寝かせてから使用しています。

その他にも、空いているスペースを普通の冷蔵庫や冷凍庫として使うことも出来るため、幅広く活躍してくれます。

卓上ミキサー【必要度★★★☆☆】

クリームの撹拌や生クリームの泡立てに欠かせないのが卓上ミキサーです。縦型ミキサーと同様に幾つかのアタッチメントを付け替えて使うことが出来ます。

クリーム等のフィリングを大量に作る場合は縦型ミキサーを使用するのが良いと思いますが、少量の場合は卓上ミキサーで十分です。卓上ミキサーを使うことで、メインのミキサーでの作業を止めること無く並行して作業を進めることが出来ます。

卓上ミキサーというだけあって台の上に置けるほど小さなものなので、非常に省スペースで済みます。また価格もそれほど高価なものではありません。

もちろん、どんなパンを焼くかによって必要性は大きく異なります。菓子パンが多いなら必須と言えますし、フランスパンや食パンが中心のパン屋さんでは必要ないでしょう。

分割丸め機(ラウンダー)【必要度★★☆☆☆】

パン屋さんの作業の中でとても手間のかかる作業が、分割・丸めです。その作業を自動化してくれるのが分割丸め機になります。

パンの生地を捏ねたあと、目的のパンの大きさの重さに切り分ける作業を分割といいます。そして切り分けた生地を成形しやすいようにまとめる作業が丸めです。

分割丸め機があれば、この作業を自動化してくれます。捏ね上がった生地を一次発酵させたあと、目的の重量に合わせて大きく分割します。これを大分割といいます。

例えば50gの生地に分割したいとすると、36等分の分割丸め機であれば50g×36個=1800gに大分割します。大分割したあと生地を少し休ませ分割丸め機に通すと、50gの生地36個が自動で分割・丸めされます。

生産量の多いパン屋さんでは必須の機械です。特に生地の重さが30g~50g程度の小型のパンを多く焼くお店の場合は大活躍すること間違いないでしょう。

リバースシーター(パイローラー)【必要度★★☆☆☆】

リバースシーターは、クロワッサンやパイ(パンではありませんが)を作る上では欠かせない機械です。

クロワッサンの生地を作るには、生地にバターを折り込んで層を作る作業が必要になります。この作業を折り込みといいます。生地にバターを挟んだ状態で薄く伸ばし、それを畳んでは薄く伸ばす作業です。一般的なクロワッサンでは3つ折りを3回繰り返します。

この折り込み作業をする上で欠かせないのが、リバースシーターになります。なぜなら、手作業で生地を薄く伸ばすのが大変だからです。手作業する場合はめん棒を使いますが、例えば2kg近くある冷えたパン生地を最終的に3mm程度まで均一に伸ばすのは至難の技です。時間がかかればバターが溶け出す可能性もあります。

もちろん少量の生地であれば、手作業で折り込むことも出来ます。リバースシーターのない家庭でクロワッサンを作ることも、手間こそかかりますがそれほど難しくはありません。しかしパン屋さんとして、ある程度以上の生地量を折り込むとなると、やはり難しいと思います。

クロワッサンやデニッシュ、パイを作りたい方は必須です。

フライヤー【必要度★★☆☆☆】

カレーパンや惣菜パン用のコロッケなど、揚げ物を担当するのがフライヤーです。

フライヤーがあれば、油の温度調節も簡単ですし、大量の揚げ物を安定して行うことが出来ます。フライパンより効率も良く、安定感があります。

規模にもよりますが、カレーパンを主力の商品にする場合や、コロッケやカツの惣菜パンやサンドイッチを作る場合はあった方が良いでしょう。

ただし、掃除は面倒です。

コールドテーブル(台下冷蔵庫・冷凍庫)【必要度★★☆☆☆】

作業台として使うと便利なのが、コールドテーブルです。台下冷蔵庫、台下冷凍庫ともいいます。

多くのパン屋さんでは、このコールドテーブルの上に板を乗せ作業台にしています。

そのメリットは、必要な冷蔵品がすぐに取り出せることと、限られた作業場のスペースを有効活用できることです。

パン屋さんの材料には冷蔵品が多くあります。あんパンなら餡、クリームパンならカスタードクリーム、ベーコンエピならベーコンが必要です。

それらを成形するとき、すぐに取り出せると非常に効率が良いのです。パン屋さんの仕事は段取りや効率がとても大切ですので、成形の度に冷蔵庫まで歩いて材料を取りに行く、といったことは出来るだけ避けたいところです。

パンの具材として冷蔵品を多様する方は必須といえるでしょう。

コンベクションオーブン【必要度★☆☆☆☆】

デッキオーブンとは異なり、庫内に風を起こして熱を循環させることで焼き上げるオーブンです。パン屋さんではデッキオーブンを中心に使い、コンベクションオーブンをサブのオーブンとして使う場合が多いと思います。

コンベクションオーブンは庫内に風が起きているので、その特徴から乾燥焼きしたいものに向いています。焼き菓子がその最たる例ですね。パンならクロワッサンやデニッシュ、メロンパンなどでしょうか。

また熱を循環させるため、焼き色が均一に付きやすいのも特徴です。焼き色の付き方によっても焼き上がりの印象が変わるので、こだわり派の方はその点も考慮するといいと思います。

焼き方に特徴があるコンベクションオーブンですが、工夫次第では何でも焼くことが出来ます。実際、コンベクションオーブンだけで食パンもバゲットも焼き、人気店を経営されている方もいらっしゃいます。

最終的にどんなパンや菓子を焼きたいか、によってオーブンを使い分けると良いでしょう。