パン屋さんで未だに暴力が無くならない3つの理由

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パン職人。1989年生まれ。鳥取県鳥取市出身。

筑波大学卒業後、茨城県のパン屋で修行し、店長を経験。その後、結婚を機にふるさとの鳥取にUターン。

クラウドファンディングで開業資金を集め、「パン工房ほとり」を開業。

Twitterやってます。

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こんにちは!しょうたん(@v_shota_v)です。

パン屋さんの仕事に興味があったり、または実際に働いている人の中には、

  • パン屋さんには暴力があると聞いたのだけど、本当ですか?
  • パン屋さんで、暴力を見たのですが、なぜ起きるのですか?

 

といったことを思う方もいると思います。

そこで今回は、実際にパン屋さんで暴力の現場も見たことがある僕が、パン屋さんの暴力が無くならない理由について考えていきます。

 

パン屋さんで起こる暴力とは

信じられないかもしれませんが、パン屋さんには暴力があります。そのほとんどはシェフや先輩から、従業員や後輩への暴力です。

仕事を失敗してしまったり、言うことを聞かなかったり、同じミスを繰り返したりしているうちに、怒りに身を任せて暴力を振るってしまうのです。

もちろん、すべてのパン屋さんにあるわけではありません。それぞれの職場やそこで働くひとによって大きく状況が異なります。

しかし、いま確実に、パン屋さんには暴力が残っているのです。

当然、暴力はしてはいけないことで、明らかな犯罪行為です。

 

パン屋さんで暴力が無くならない理由

パン屋さんでの暴力が無くならない理由は、次のようなものでしょう。

  • 理由① 数十年前はそれが普通だったから
  • 理由② 厳しくすることが必要だと思っているから
  • 理由③ 精神的に余裕がないから

 

理由① 数十年前はそれが普通だったから

最もよく聞くのが、「昔はそうだった」という理由です。40代~50代より上の世代の職人さんから聞くことが多いですね。

そういった世代の方の多くが、「自分たちが修行していたころは、暴力なんて普通だった。」といいます。

だから、自分たちも後輩に教えるときには、「自分たちも厳しく教える。必要なら暴力だってする。」となってしまうのです。

人によっては「自分たちはときには暴力があるほど厳しく教わったのに、今の子たちは耐える力が無くてけしからん」くらいに思っている職人すらいます。

たしかにいまの若い世代は、そういった厳しさには慣れていない人が多いと思います。しかし、昔は普通だったからといって、いまの時代に暴力が肯定されるわけではありません。

暴力問題に限らず、どんな物事でもそうですが、変化できないと時代に置いていかれます。もし自分や周りの人が「暴力が普通だった世代」だとしても、いまの時代に合わせて考えを改め、みんなで変化していきましょう。

そして今の若い世代も、自分たちが年を取ったときに後輩たちに対して「昔はこれが普通だった」などといって、時代遅れな価値観を当たり前のようにぶつけることがないように、注意したいところです。

 

理由② 厳しくすることが必要だと思っているから

「厳しくしないと分からない」というようなことを、おっしゃる職人さんもいます。そして、その「厳しさ」の延長が、暴力につながってしまうようです。

僕個人の考えでは、「厳しくしないと分からない」は誤りです。まったく正しくありません。

なぜなら、指導する相手が分からないことは、「分かるように伝える」のが正しいからです。

相手が「分かる」ためには、分かりやすく伝えるための工夫や、話を聞いてもらうための態度が必要です。

その中でもしかすると「厳しさ」を用いることもあるかもしれませんが、それは相手にとって厳しい現実を突きつけるといった類のもので、語気を強めたり言葉を荒げたりするような暴力的なものは必要ありません。

暴力的な厳しさを手段として使う人は、「相手を思い通りにコントロールするために、厳しく当たるという手段しか取れない」だけなのではないかと思います。

つまり、「厳しくしないと分からない」のではなく、「自分が相手に分かるように伝えることができない」のです。

厄介なのが、理由①で挙げたように、自分が厳しくされて育ててもらった場合は、厳しくすることが唯一の方法だと思ってしまいがちです。

難しいかもしれませんが、もしそういった人が身近にいる場合は、暴力的な厳しさは「分かるように伝える」ためには必要ない、ということを理解してもらう必要があるでしょう。

 

理由③ 精神的に余裕がないから

精神的に余裕がないとき、人は暴力に走りがちです。

具体的に考えてみましょう。

 

後輩や部下に何度言っても伝わらない。同じミスを繰り返してしまう。

彼のミスのせいで、いつもお客さんに迷惑がかかってしまうし、労働時間も長くなってしまっている。

最初は優しく言っていたのだけど、もう我慢ができない。

 

このとき、このシェフ(上司・先輩など)には、次のようなストレスがかかってしまっています。

  • ミスを繰り返してしまう人へのストレス
  • お客さんに迷惑をかけてしまうストレス
  • 伝わらないストレス
  • 長時間労働によるストレス

 

こういったたくさんのストレスから精神的な余裕が無くなってしまい、そして、「もう我慢ができない」となってしまい、最後には暴力に至ってしまうのです。

ここで言えるのは、精神的な余裕が無くならければ、暴力に走ってしまう可能性は低くなる、ということです。

つまり、従業員や後輩を指導する立場にある人が大きな器をもち、精神的な余裕をどんなときでも保つことができるようになれば、暴力は必要ないのです。

もしシェフや先輩が暴力に走ってしまうのを目の当たりにしたら、たいていの場合は精神的に余裕が無くなっているんだなと思っても良いでしょう。

そして、自分自身がそうならないためにも、勉強や経験からの学びをどんどん得ていきましょう。

 

関連記事:なぜ残業?パン屋さんの労働時間が長い5つの理由【長時間労働】

 

パン屋さんで起こる暴力まとめ

  • パン屋さんで起こる暴力とは
    • そのほとんどはシェフや先輩から、ミスをしたり仕事ができない従業員や後輩への暴力
  • パン屋さんで暴力が無くならない理由
    • 理由① 数十年前はそれが普通だったから
    • 理由② 厳しくすることが必要だと思っているから
    • 理由③ 精神的に余裕がないから

 

パン屋さんの暴力について解説しました。

パン屋さんで働いている人はなんとなく想像のつく話だったかもしれません。

また、パン屋さんに興味を持っている方にとっては、あまり信じたくない話だったと思います。

僕も信じたくないですが、しかしパン屋さんでは実際に、いまだに暴力が残っています。そしてそれは、どんな理由があっても肯定してはいけないと思います。

みなさんが暴力のないお店で、楽しく働けることを願っています。また、自分自身がそうなってしまわないためにも、器を大きくする努力を、怠らずにいたいものです。

 

なお、パン屋さんの大変なことについては次の記事にまとめています。

関連記事:激務できつい?パン屋さんの仕事の大変なところ・つらいところ【就職・転職】

 

また、パン屋さんの転職全般についてはこちらをどうぞ。

関連記事:未経験から正社員も!パン屋さんの転職まとめ

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

何かしらお役に立てたら幸いです。