期間は?パン屋さん修行の具体的な5ステップ【見習い】

ABOUTこの記事をかいた人

パン職人。1989年生まれ。鳥取県鳥取市出身。

筑波大学卒業後、茨城県のパン屋で修行し、店長を経験。その後、結婚を機にふるさとの鳥取にUターン。

クラウドファンディングで開業資金を集め、「パン工房ほとり」を開業。

Twitterやってます。

(パンの購入はこちら)




こんにちは!しょうたん(@v_shota_v)です。

パン屋さんに興味があるけど、次のようなことを思う方も多いと思います。

  • パン屋の修行って、どんな感じで働くの?
  • 修行期間ってどのくらい?
  • 実際にどうやってステップアップしていくの?

 

そこで今回は、パン業界で10年近くはたらく僕が、パン屋さんの修行について具体的に解説していきます。

 

なお、パン屋さんの転職全般については、こちらの記事を参考にどうぞ。

関連記事:未経験から正社員も!パン屋さんの転職まとめ

 

パン屋さんの修行とは

パン屋さんの修業とは、「独立までの期間」を指すことが多いです。

パン屋さんでは独立開業を目指し、自分のお店を持つことを夢見て働いている人がたくさんいます。「修業」というのは、そういった前提があっての言葉なのです。

また実際のところ、「パン屋さんで働いているけど、独立を目指しているわけではない」という人もたくさんいます。

独立を目指していない人については、パン屋さんで働いていても「修業している」とは言わないのが普通でしょう。

 

修業の期間は人それぞれ

「独立を目指している人はどのくらいの期間、修業するの?」ということを知りたい方も多いと思いますが、結論からいえば、それは人それぞれです。

5年の人もいれば、20年の人もいます。ただ一般的には10~20年くらいは修業する人が多い印象です。

そもそも、修業というのはどこまで出来るようになったら終わり、という線引きが決まっているわけではありません。

その人が、「もう卒業だ、独立しよう」と思ったら、それが修業の終わりなのです。

また、どのくらいの期間をかけて修業したからといって、どれだけの技術が身についているかは、その人の成長スピードによって大きく変わってきます。

僕自身、5年弱しか修業していませんが、それはおそらく修行期間としては短い方だし、技術レベルが非常に高いわけでもありません。

ですが、「独立しよう」と思った時点で、修業は終わったのです。

 

独立したら修業は終わり、ではない

先ほど、パン屋さんの修業は「独立までの期間」と書きましたが、本当の意味での修業は独立してから、つまり自分のお店を持ってからだと考えても良いでしょう。

なぜなら、その人が独立開業をしたからといって、その時点で100点満点の技術を持っている、というわけではないからです。

もちろんそういう人もいるかもしれませんが、多くの人は、お客さんにとってより良いパンを焼けるように、独立開業してからも、勉強して、挑戦して、失敗して、たくさんのことを学んでいきます。

むしろ、独立開業してからのほうが学ぶことが多い、という人がほとんどじゃないでしょうか。

そう考えると、「独立したら修業は終わり」ではないことは明白です。むしろ、独立してからが本当の修業といえるでしょう。

 

パン屋さん修業の具体的な5ステップ

パン屋さんの修業は、実際にどんなふうに進んでいくのかをステップにまとめました。

  • ステップ① 販売スタッフ、仕上げ
  • ステップ② 製造の補助業務、サンドイッチ、揚げ物(フライヤー)
  • ステップ③ 窯(オーブン)、めん台(分割・成形)
  • ステップ④ 仕込み(ミキサー)、折り込み(リバースシート)
  • ステップ⑤ リーダー、店長、商品開発

 

ここに書いたものは、あくまでも例です。

僕の経験から、こういったステップで学んでいく人が多い印象だ、というものを書かせていただきました。

実際には、お店の状況やシェフの考え方、自分自身の努力や成長スピード、などによって大きく変わってきます。

場合によっては、ステップ①〜⑤の内容を、最初から同時進行で学んでいく場合もあるのです。

なので、あくまでこれは一例として、参考にしてやってください。

 

ステップ① 販売スタッフ、仕上げ

まずは販売スタッフから始める、というのが定番です。

また、販売スタッフをこなしながら、食パンをスライスしたり、焼き上がったパンにオリーブオイルを塗ったり、パンにクリームを絞ったり、といった商品の仕上げを行うこともよくあると思います。

最初に販売スタッフから修業が始まるのは、パン作りの技術を身に着けてしまった後だと、販売スタッフを任されることが少なくなるからです。

というのも、あるていど製造の仕事をこなせるスタッフは人材が不足しているため、製造の仕事ができるなら製造をやってほしい、というわけです。

なお、お店によっては、販売スタッフはパート・アルバイトにすべて任せている、といった場合もあります。

販売スタッフの仕事内容については、次の記事を参考にしてみてください。

関連記事:パン屋さん販売スタッフの仕事内容を解説します。

 

ステップ② 製造の補助業務、サンドイッチ、揚げ物(フライヤー)

販売スタッフをあるていど経験したら、次は、製造の補助をしたり、サンドイッチや揚げ物(フライヤー)を担当することが多いでしょう。

製造の補助というのは、たとえば次のようなことです。

  • ホイロからオーブン担当に生地を運ぶ
  • 焼き上がったパンを販売スタッフに受け渡す
  • 機械に通すだけでよい食パン生地を成形する
  • 分割作業の丸めに入る

 

製造の補助やサンドイッチ、揚げ物(フライヤー)といった役割は、製造スタッフの中でも難易度が低めとされていることが多いです。

その理由は、技術による商品への影響がそれほど大きくなかったり、段取りの良さや作業スピードがそこまで求められなかったりするからです。

ただ、難易度が低いからと言って、重要度が低いわけではありません。どんな仕事でもそうですが、適当にこなして良いものではありません。

むしろ、これらの仕事をしっかり確実に、しかも効率よくスピーディにこなせるように成長していけば、上司や先輩からの信用となり、次のステップへ繋がっていくでしょう。

 

ステップ③ 窯(オーブン)、めん台(分割・成形)

窯(オーブン)担当としてパン生地を焼いたり、めん台(分割・成形)担当としてパン生地の分割や丸め、成形をしていきます。

ここからが製造スタッフとしての本格的な仕事と言えると思います。パン製造の経験がある、と転職などで話せるのは、このステップくらいからと考えたほうが良いでしょう。

このステップ③からは、ここまでのステップと比べると、自分の仕事が商品全体に及ぼす影響が大きくなります。そのため、まずは確実に1つ1つの仕事をこなしていきましょう。

そして、仕事量も桁違いに多くなってくるところでもあります。確実な仕事をするからといって、効率が悪かったりスピードが遅かったりするのはまずいです。

なぜなら、パン生地は発酵し続けているので、効率が悪かったりスピードが遅かったりすると、結果として発酵オーバーといった失敗を引き起こしてしまい、商品の質が下がってしまうからです。

なお、お店によっては、初日からこのステップ③だったりします。大きな責任がありますが、それだけの成長スピードを求められている、ともいえますね。

関連記事:パン屋さん製造スタッフの仕事内容を解説します。

 

ステップ④ 仕込み(ミキサー)、折り込み(リバースシート)

仕込み(ミキサー)担当としてパン生地を捏ねたり、フィリング類を作ったり、折り込み(リバースシート・シーター)担当としてクロワッサンやデニッシュの生地を作ります。

これらの作業は製造スタッフの仕事の中でも難易度が高いと考えられています。

仕込みは、「パンの質は仕込みが7割」という言葉があるほど商品全体の質に大きく関わってくるため、お店の中でも最も熟練した職人が担当することが多いです。

また、折り込みは油脂(バターなど)や生地の温度に気を配ったり、手早さが必要だったりするため、こちらもやはり熟練した職人が行う場合が多いと思います。

ここまでの仕事が一通りこなせるようになれば、製造スタッフとしても一人前として扱われるでしょう。製造スタッフが不足しがちなパン業界において、転職に困ることはあまり無いと思います。

 

ステップ⑤ リーダー、店長、商品開発

リーダーや(チェーン店の)店長としてチームをまとめる仕事をしたり、通常のパン製造をこなしながら同時進行で商品開発をしたりします。

ステップ④までで、パン屋さんの仕事は一通り行える段階まできたと言えますが、ここからはさらに上を目指すステップです。

たとえば、リーダーや店長といった役割を任されることで、次のようなことを経験していきます。

  • リーダーシップを発揮してお店を引っ張っていく
  • 後輩の教育に力を注いで、お店全体のレベルを上げる
  • 財務諸表といったお店の数字を把握し、改善していく

 

また、商品開発に関わるのも、このステップまで修業を積んだ人が多いでしょう。

たとえば、次のような場面が考えられます。

  • チェーン店で、新商品の開発をお店ごとに挑戦できる
  • 個人店で、シェフと商品開発について話し合ったり、提案をしたりする

 

このステップまで修業が積めれば、パン業界の転職で困ることはほぼ無いでしょう。また、独立を考えている人であれば、最初からある程度スムーズに、お店を運営することができると思います。

 

関連記事:店長の仕事って?店長初心者が押さえるべき7つのポイントを元パン屋店長が解説します。

 

パン屋さんの修業まとめ

  • パン屋さんの修業とは、「独立までの期間」
    • 修業の期間は人それぞれ
    • ただし一般的には10~20年くらいは修業する人が多い印象
    • 独立したら修業は終わりでなく、本当の意味での修業は独立してから
  • パン屋さん修業の具体的な5ステップ
    • ステップ① 販売スタッフ、仕上げ
    • ステップ② 製造の補助業務、サンドイッチ、揚げ物(フライヤー)
    • ステップ③ 窯(オーブン)、めん台(分割・成形)
    • ステップ④ 仕込み(ミキサー)、折り込み(リバースシート)
    • ステップ⑤ リーダー、店長、商品開発

 

修業、と聞くとなんだか無給で働くみたいなイメージですが、実際は「普通に雇われて働く従業員」です。

なので、まずはお店に貢献してお客さまに喜んでいただく、というのが大前提です。そしてその上で、自分自身が成長していけるようにしていきましょう。

 

またパン屋さんの修業って、「大変そう」「厳しそう」というイメージが先行しているように思います。

たしかに、大変なところは沢山あります。でも、それと同じくらい、やりがいもあります。

 

関連記事:激務できつい?パン屋さんの仕事の大変なところ・つらいところ【就職・転職】

関連記事:パン屋さんの仕事のやりがい・魅力まとめ【就職・転職】

 

ぜひ、自分にあったお店や会社を見つけて、かけがえのない修業の日々を送ってください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

何かしらお役にたてたら幸いです。