パン屋さんでサービス残業が無くならない3つの理由【残業代ゼロ…?】

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パン職人。1989年生まれ。鳥取県鳥取市出身。

筑波大学卒業後、茨城県のパン屋で修行し、店長を経験。その後、結婚を機にふるさとの鳥取にUターン。

クラウドファンディングで開業資金を集め、「パン工房ほとり」を開業。

Twitterやってます。

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こんにちは!しょうたん(@v_shota_v)です。

パン屋さんに興味がある方ののなかには、

  • パン屋さんは労働時間が長いって聞くけど、残業代はどうなってるの?
  • 実際のところ、サービス残業ってあるの?

 

といったことが気になる方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、パン屋さんのサービス残業について、パン業界で10年近くはたらく僕が、解説していきます。

 

なお、パン屋さんの労働時間についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

関連記事:なぜ残業?パン屋さんの労働時間が長い5つの理由【長時間労働】

 

また、パン屋さんの転職全般についてはこちらをどうぞ。

関連記事:未経験から正社員も!パン屋さんの転職まとめ

 

パン屋さんにサービス残業はある

結論からいえば、パン屋さんにサービス残業はあります。

サービス残業というのは、本来支払われるべき労働に対する対価が、一部もしくは全額支払われない、という状況のことです。

定められた労働時間を超えた場合に全額支払われない、というパターンは分かりやすいですよね。

その他にも、定められた出勤時刻より少し前に出勤して働いていた分がお給料に反映されない、というようなパターンも、サービス残業の定義に当てはまります。

サービス残業は、社会全体でも、そしてパン業界全体でも問題視されているので、どちらかといえば改善傾向にはあると思います。

 

ただし、お店や会社による

当然ですが、お店や会社によって状況は大きく異なります。

たとえば、次のような状況なお店があります。

  • タイムカード自体が存在せず、一人ひとりの労働時間を把握していないお店
  • タイムカードは存在し、出勤時刻と退勤時刻にタイムカードを切るが、実際はその前後も働くのでサービス残業になるお店
  • 実質的に出勤時刻より早く出勤して仕事をしなければならないが、自主的に早く来ているのだから残業代は出せない、といわれてしまうお店

 

どちらかというと規模が小さい個人店に多い

また、あくまで傾向ですが、規模の小さい個人店のほうがサービス残業が残っていて、規模の大きい大型店やチェーン店のほうがサービス残業が少ない、ということもあるようです。

個人店では従業員も少なく、社会からの監視の目も弱いため、経営者やシェフの意向がそのまま反映されやすいからです。

一方で、規模の大きいお店は法人(会社)として経営している場合が多いので、たくさんいる従業員やその家族、地域の人、そして労働基準監督署などからの監視の目が強く、結果としてサービス残業が少なくなる傾向にあります。

 

サービス残業が無くならない理由

これだけ社会的に問題になっていても、パン屋さんでサービス残業が無くならないには次のような理由があるからです。

  • 理由① 修行や練習ということになっているから
  • 理由② 「パン屋さんでは当たり前」という古い考えが残っているから
  • 理由③ 経営状態が悪いから

 

理由① 修行や練習ということになっているから

パン屋さんでは、修行や練習という名目で、サービス残業になってしまうことがあります。これはケーキ屋さんなどでもよく聞くパターンです。

もちろん、高い技術を身に着けたいのであれば自主的に練習したりすることは必要だと思います。

しかもお店は、

  • プロの道具が揃っている
  • シェフや先輩に指導してもらえる

 

というように、成長のために必要な環境が揃っています。

しかし、それがお店にとって必要な仕事だったりすると、実質的に労働になるので、サービス残業ということになります。

じゃあどこまでが修行や練習で、どこからがお店に必要な仕事なのか。これを判断するのは非常に難しいところです。

大事なのは、自分の考えとお店の考えがズレて、どちらも不幸になってしまわないようにすることだと思います。

  • サービス残業は絶対したくないのに、修行と言われ強制された
  • 技術を身につけるため修行したいのに、サービス残業になるからダメといわれた

 

こういったズレがあると、互いに幸せではないですよね。

こうならないためにも、経営者やシェフの考えをしっかり聞いて、入社前の面接などでお店の状況をしっかりと確認できると良いでしょう。

 

理由② 「パン屋さんでは当たり前」という古い考えが残っているから

サービス残業に対して「パン屋ではそんなの当たり前だろう」という考え方の経営者やシェフもいらっしゃいます。

そういったお店では、どうしても長時間労働やサービス残業に対する問題意識が薄いので、問題は解消されていかないでしょう。

「パン屋では長時間労働もサービス残業も当たり前」という考え方が間違っているというわけではないですが、これから社会の中で、そういったお店が存在しづらくなっていくのは間違いありません。

 

たしかに、パン屋さんではどうしても労働時間が長くなってしまう傾向にあります。

パン作りには非常に手間がかかるし、たくさんの種類を安い単価で売るので、商売として成立させるためには長時間労働を避けることが難しいのです。

しかし、シェフや経営者の考え方によって、その問題にどうアプローチしていくか、実際にお店のなかの仕組みがどうなっているか、といったことが大きく異なってきます。

ぜひ、自分の考え方に合ったお店を、探してみてください。

 

なお、長時間労働については次の記事を参考にしてみてください。

関連記事:なぜ残業?パン屋さんの労働時間が長い5つの理由【長時間労働】

 

理由③ 経営状態が悪いから

経営状態が悪いと、サービス残業を無くすことはできません。

サービス残業を無くすためには、スタッフの時間外労働にたいするお給料を支払わなければならないからです。

経営状態が悪いと、そのお給料を捻出することも難しいでしょう。僕も夫婦で小さな工房を開業したので分かりますが、人を雇ってお給料を出す、というのは、それだけの売上や粗利がなければ出来ないことなのです。

ものすごく簡単に言えば、「お金がなければ払えない」ということです。

また、長い目でみれば、経営状態の悪いお店はこれから長く続いていくことは難しいでしょう。

 

パン屋さんのサービス残業まとめ

  • パン屋さんにサービス残業はある
    • サービス残業は、「本来支払われるべき労働に対する対価が一部もしくは全額支払われない」という状況
    • 当然、お店や会社によって状況は大きく異なる
    • どちらかというと規模が小さい個人店に多い
  • サービス残業が無くならない理由
    • 理由① 修行や練習ということになっているから
    • 理由② 「パン屋さんでは当たり前」という古い考えが残っているから
    • 理由③ 経営状態が悪いから

 

パン屋さんにつきものである、長時間労働と、それに伴うサービス残業。

経営者やシェフの考え方次第では、解消に向けての取り組みが行われているお店もありますが、それもすべてのお店ではありません。

まだまだ、パン業界全体で取り組んでいかなければならない問題です。

 

自分の考えと照らし合わせて、ぜひ自分に合ったお店を探してみてはいかがでしょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

何かしらお役に立てたら嬉しいです。