なぜ残業?パン屋さんの労働時間が長い5つの理由【長時間労働】

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パン職人。1989年生まれ。鳥取県鳥取市出身。

筑波大学卒業後、茨城県のパン屋で修行し、店長を経験。その後、結婚を機にふるさとの鳥取にUターン。

クラウドファンディングで開業資金を集め、「パン工房ほとり」を開業。

Twitterやってます。

(パンの購入はこちら)




こんにちは!しょうたん(@v_shota_v)です。

パン屋さんの仕事に興味のある方のなかには、

  • パン屋さんって残業が多いって聞くけど、実際どのくらいあるの?
  • 長時間労働が問題になっているって聞いたけど、みんな何時間くらい働いてるの?

 

と思う方も多いと思います。

そこで今回は、パン屋さんの残業や長時間労働について、パン業界で10年近く働く僕が、解説していこうと思います。

 

なお、パン屋さんの転職全般についてはこちらをどうぞ。

関連記事:未経験から正社員も!パン屋さんの転職まとめ

 

パン屋さんの労働時間

パン屋さん労働時間は、1日12~15時間ほどです。かなりの長時間労働ですね。

しかも、お休みが週に1日しかない、といったこともよくあります。

世間的に長時間労働をイメージさせるのは「ひと月の残業100時間」ですが、労働基準法で定められている週40時間を基準とすると、ほとんどのパン屋さんで「ひと月の残業100時間」をオーバーします。

もちろん、お店や会社によっては残業はあんまり無いよといった場合もあるとは思いますが、業界全体の傾向としては、こんな感じです。

 

なお、長時間労働以外にもパン屋さんは大変なところがありますので、気になる方はこちらをどうぞ。

関連記事:激務できつい?パン屋さんの仕事の大変なところ・つらいところ【就職・転職】

 

長時間労働になりがちな理由

パン屋さんが長時間労働になってしまうのには、次のような理由があります。

  • パン作りに手間がかかる
  • 商品の種類が多い
  • スキルを身につけるのに時間がかかる
  • 営業時間が長い
  • 商品の単価が安い

 

パン作りに手間がかかる

パン作りには手間がかかるため、どうしてもその分、時間がかかります。

パンを作ったことがある方なら分かると思いますが、パンが焼き上がるまでには通常4-5時間はかかります。

もちろん職人さんたちは製法を工夫するなどして時間を短縮したりするのですが、無理な作り方をするとパンの質を下げることにも繋がってしまいます。

時間のために大きく味を落としては、本末転倒ですよね。

ただあまりに手間がかかるので、あるていど品質を妥協してでいも、長時間労働を避けようという考え方をする経営者やシェフもいます。

それだけ、パン作りの手間というのはパン屋さんの長時間労働にとって大きな障壁となっているのが現状なのです。

 

商品の種類が多い

一般的なパン屋さんでは、たくさんの種類のパンを焼きます。

たとえば、シェフ一人で焼いているような小さなパン屋さんでも、10~30種類くらいはあるでしょう。大規模なお店になれば、100種類は超えてきます。とある人気店では300種類ほどあると言われています。

ただでさえ手間のかかるパン作りですので、種類が多いとそのぶん作業量も多くなり、労働時間も長くなってしまうのです。

パン生地や材料、製法などが異なるものが増えれば増えるほど、工程は複雑になり、あれもやらなきゃこれもやらなきゃと混乱してしまう現場もあります。

 

スキルを身につけるのに時間がかかる

繁忙店など忙しいお店で長年の経験を積んだ職人は、とっても仕事が早いです。1人でパートさん2~3人分の働きをするような人もいます。

なので、そういった職人を集めれば、たしかに労働時間を短くすることも可能だと思います。

でも、そういったレベルの職人というのはそう簡単には育ちません。向き不向きももちろんあるし、向いている人でも何年かかけて修行しないと身につかないのです。

結果として、熟練した職人が不足して、全体の労働時間は長くなってしまう、というわけです。

 

営業時間が長い

パン屋さんは朝が早いお店が多いですよね。お客さんの立場からみれば、朝早くから空いていると朝ごはんに焼きたてのパンが食べられるので、とても嬉しいと思います。

ただ、その希望に答えようとするとパン屋さんの営業時間は長くなりがちで、そのぶん労働時間も長くなります。

たとえば、朝ごはんに食べてほしい、そして仕事帰りにも次の日の朝食を買って帰ってほしい、それを前提に営業時間を決めると、

  • 開店:朝7:00
  • 閉店:夕方18:00

 

といったことになります。11時間営業ですね。

小規模なお店だと一人ひとりが持つ仕事の幅が広く、のしかかる責任も重いので、少なくともこの11時間の間はずっとお店にいなければいけない、ということになる可能性があります。

一方で、営業時間が長くても、大規模なお店で売上や粗利益といった経営上の数字も整っているのであれば、シフト制で分業できるので、労働時間を短くできるかもしれません。

 

商品の単価が安い

パン屋さんは商品の単価が安いです。1個100円台から、高くても300~400円ほどだったりしますよね。

単価が安いということは、商売として成立させるには、「たくさん作ってたくさん売る」、つまり薄利多売をしなければならなくなります。

最初の理由でも書いたように、パン作りには手間がかかります。

手間のかかるものをたくさん作るということは、結果として、労働時間を長くせざるを得なくなるのです。

ちなみにですが、高級食パン専門店などでは、薄利多売もせず、種類も絞って、徹底的にパン作りの手間を減らしています。お客さまを選ぶ形態ではありますが、長時間労働へのアプローチとしては好例だと思います。

 

パン屋さんの労働時間まとめ

  • パン屋さん労働時間は、1日12~15時間ほど
  • 長時間労働になってしまう理由
    • パン作りに手間がかかる
    • 商品の種類が多い
    • スキルを身につけるのに時間がかかる
    • 営業時間が長い
    • 商品の単価が安い

 

パン屋さんは基本的に長時間労働です。

これは、パン業界でも共通の認識になっていて、各々のお店や会社でなんとかしたいと取り組みを行っているところもあります。

自分がどんな働き方をしたいかによりますが、長時間労働を避けたいという人は、そういった問題に取り組んでいるお店を積極的に探して、応募するのが良いでしょう。

 

なお、長時間労働に伴っておきるサービス残業の問題については、次の記事を参考にしてみてください。

関連記事:パン屋さんでサービス残業が無くならない3つの理由【残業代ゼロ…?】

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

何かしら、お役に立てたら嬉しいです。