「パン屋さんのサンドイッチパーティー」が失敗に終わった3つの理由

ABOUTこの記事をかいた人

パン職人。1989年生まれ。鳥取県鳥取市出身。

筑波大学卒業後、茨城県のパン屋で修行し、店長を経験。その後、結婚を機にふるさとの鳥取にUターン。

クラウドファンディングで開業資金を集め、「パン工房ほとり」を開業。

パン職人専門オンラインサロン「パンと生きる」オーナー。Twitterも更新中。

(パンの購入はこちら)




こんにちは!しょうたん(@v_shota_v)です。

先日、「パン屋さんのサンドイッチパーティー」というイベントを開催しました。

 

 

「パン屋さんのサンドイッチパーティー」は皆でサンドイッチを作って食べる、ワークショップ型のイベントです。

パンと具材をみんなで自由に挟んで食べ、その時間を皆で共有して楽しむことを目的としています。

いくつかのサプライズを用意した甲斐があってか、ご参加頂いた方多くの方から「美味しかった」「また参加したいです」といった有り難いお言葉をいただくことができました。

本当に、心の底から嬉しかったです。

もちろん全ての方に100点満点楽しんで頂けたかどうかは分からないし、改善すべき点はそれはもう沢山あったのですが、それでも客観的に見て「盛況だった」と言えるんじゃないかと思います。

ですがこのイベント、皆さんに喜んでいただくという意味では成功なんですが、商売としては大失敗だったんです。

※ この記事にはネタバレを含んでいます。サプライズ的な演出もあったので、知りたくないという方はご注意下さい。

 

 

儲からなければ続かない

商売として失敗だったというのは、つまり赤字だったということです。そして、当然ですが儲からなければ続けることは出来ません。

会場費、材料費とその他諸経費で、参加者の方から頂いたお金はほぼ無くなりました。残ったのは2,000円ほど。

そして、準備にかかった時間はおそらく妻と合わせて20~30時間ほどと思います。途切れ途切れになってしまっているのでとても曖昧な数字ですが…。

準備に20時間かかったとしても時給100円。アルバイトの方が全然良いですね。最低賃金に届く気配もありません。

儲からないと続かない。そして続かないとこれ以降お客さんに喜んでもらうことは出来なくなってしまう。それではダメだと思っています。

では、なぜ失敗に終わったか?

 

失敗の理由① アレコレ詰め込みすぎた

第一に、アレコレ詰め込みすぎました。以下を20人分です。

  • パン4種類
  • パンのお皿
  • サンドイッチ2種類
  • 野菜、ハム、ベーコン等の下ごしらえ
  • 動画作成
  • プレゼン準備
  • お土産ラスク
  • 感謝のお手紙(写真付き)

 

パン

パンは4種類すべて自分で焼きました。一概にパンといっても色々な種類があるのですが、あまり意識したことのない方が多いと感じていました。だから、皆さんに食べ比べを楽しんで欲しい、そう思ったのでした。

食事を楽しんでいただくために用意したのはパンのお皿。成形や焼き方に一手間かかります。だけど少しでもパン屋さんのイベントを「体験」して欲しいという思いから作ることにしました。

 

サンドイッチ

運営側で用意したサンドイッチも2種類。こちらは、サプライズ的にお出ししました。

クロックムッシュとフルーツサンドだったので、ベシャメルソースを仕込むところから始まり、生クリームを立てたり、フルーツを切ったりと手間がかかります。

また、野菜やハム、ベーコンなども下ごしらえが必要です。切るだけでなく、ベーコンは美味しい状態で食べて欲しいので、当日の朝フライパンで焼きました。

 

その他諸々

その他にも、待ち時間が退屈にならないようにと動画を作ったり、自己紹介とパンの説明をするためのプレゼンテーションを考えたり、お土産のラスク、感謝のお手紙、やりたいことは全てやりました。

来て下さった方に喜んでもらうにはどうしたら良いか、今までの経験から得たものを全力で詰め込んだのです。だけどその結果、準備しなければいけないものが膨大になってしまいました。

 

失敗の理由② 材料費が高すぎた

次に、材料費が高すぎました。

  • 小麦粉は鳥取県産100%の大山こむぎ
  • バターは白バラでおなじみ大山乳業農業の大山バター
  • たまごサラダに使用した卵は大江ノ郷自然牧場の天美卵
  • 使用したハムやベーコンはパン業界でも高級品で有名な大山ハムのもの
  • 野菜も出来る限り県内産のものを。

 

パン工房ほとりは鳥取の魅力をお届けするパン屋さん。だから、皆さんに鳥取の良いものを味わって欲しい、そう思って用意したのですが、結果として材料費だけで約10,000円にもなってしまいました。

約20人なので、1人当たり500円にもなります。家庭で料理すると1食当たり200~300円程度と考えると、どう考えても材料にお金かけすぎてますよね。

 

失敗の理由③ 価格設定

最後に、価格設定です。これが失敗した最大の理由です。

というのも、イベントの質を上げたことが問題なのではなく、適正な価格で提供出来ていないことが問題なのです。

今回の参加費は1,500円。サンドイッチ食べ放題+カフェのドリンク付き。これが2,500円だったら十分に利益は出ています。

そういった価格設定でも参加してもらえるように宣伝を工夫し、その上で満足して帰って頂けるようにイベントの質を高めていくべきでした。

参加いただいた友人にも「安すぎるよ〜!」と言われてしまいました。

 

次にどう繋げるか。ご期待ください!

実際のところ、始めから「自分たちのことを知ってもらう機会にする」という考えで開催したイベントなので、今回の失敗についてはあまり気にしていません。

10年ぶりに鳥取に帰ってきて、信頼も実績もない人が突然主催したイベントです。「参加者が集まらなかったらどうしよう」という不安でいっぱいでした。

だけど、Facebookのイベントページに62名の方が「興味あり」を押してくれて、少しずつ「参加予定」の方が増えていくのを見て、本当に嬉しかったです。

来て下さった皆さんに心の底から感謝しています。

修行時代から「パン屋さんは持っている技術を安売りしすぎている、そういった環境を変えていきたい」という思いがあります。

だから、次こそは商売として成り立たせつつも、全力で皆さんに喜んで頂けるイベントを企画したい、そう考えています。

皆さんに応援いただけたら嬉しいです。

最後までお読み頂きありがとうございました!