自宅で菓子製造業の許可を得るためにやったこと【パン工房ほとり】

ABOUTこの記事をかいた人

パン職人。1989年生まれ。鳥取県鳥取市出身。

筑波大学卒業後、茨城県のパン屋で修行し、店長を経験。その後、結婚を機にふるさとの鳥取にUターン。

クラウドファンディングで開業資金を集め、「パン工房ほとり」を開業。

パン職人専門オンラインサロン「パンと生きる」オーナー。Twitterも更新中。

(パンの購入はこちら)




パン工房ほとりのクラウドファンディングが終了してから、はや半月。

今日、ようやく保健所の審査が入りまして、営業許可が頂けそうな状態までくることができました。(正式に許可が下りるのはもう少し先になります)

応援していただき、本当にありがとうございます!

さて、この記事では、自宅にパン工房をつくり、菓子製造業の許可を頂くまでにやったことを、ざっくりまとめました。

 

菓子製造業の許可を得るには

 

パン屋さんを営業するには、保健所から営業許可をもらう必要があります。

その場で食べてもらうなら「飲食店営業」、テイクアウトや卸売なら「菓子製造業」の許可が必要です。

僕はパンの予約販売をするので、「菓子製造業」ですね。

地方自治体が条例で定めている基準を満たすように、施設を作らなければいけません。

 

保健所との相談

「菓子製造業」は、各地方自治体の保健所が許可を出しています。

そのため、事前に保健所に相談してから工事に取り掛かるのが良いと思います。

工事が終わってから修正点があると、面倒なことになりかねません。やり直しはなんとしても避けたい。

 

実際、僕は鳥取市の保健所に3-4度は足を運び、また電話での問い合わせも3回ほど行い、細かい施設基準について相談しました。

今回は資金の関係もあり、建築業者さんなどは一切通さずに工事を行うので、僕自身が細かい施設基準を確認しておかなければいけなかったからです。

鳥取市の窓口の方はとても優しく、丁寧に対応してくださいました。

 

施設基準を確認

施設基準は地方自治体ごとに定められています。

鳥取県の場合は、こちらに掲載されていますね。

ただ、これを読むだけでは正直なところ微妙なニュアンスが分からないこともあります。

 

僕の場合は自宅を改装するので、

  • 床や壁の素材はクッションフロアでも大丈夫?
  • 既に取り付けられている巾木はどうしたらいいの?
  • 手指の消毒設備って具体的になに?
  • オーブンなどを置く台の素材に条件はある?
  • 出窓があるんだけど、大丈夫?

 

といった疑問が次々にわいてきました。

これらは施設基準を読むだけでは答えが見つからないので、先程も書いたように、自治体の保健所に直接相談したほうが良いと思います。

(すべて業者さんにおまかせなら、きっと楽なのでしょうが…)

 

実際に内装工事を進めていく

さて、施設基準を確認したら、実際に工事を進めていきます。

今回は資金に余裕があるわけではないので、自分たちでできそうな部分はDIY、それ以外の部分は専門家にお願いをしました。

具体的には、床と壁はDIY。電気と水道の工事は、それぞれ電気屋さんと水道屋さんに依頼しました。

建築業者さんを通さなかったので、施工業者さんを探すところから具体的な工事の内容まで、自分でコミュニケーションを取りながら進めていきました。

 

【床、壁】DIYでクッションフロアを貼る

 

床と壁はDIYしました。

床と壁は耐水素材で作らなければいけないという決まりがあります。

自宅のごく普通の部屋を改装するので、床はフローリング、壁は普通の壁紙でした。それを両方ともクッションフロアに張り替えます。

クッションフロアはお風呂場やトイレに使われる耐水性の素材で、最近ではアパートなどの床に施工されていることもあります。

 

保健所に、

「床と壁はクッションフロアにしようと思うんですが、大丈夫ですか!?」

と確認を取ってから施工しました。

 

というのも、一般的には床はモルタルやタイル、壁はステンレスなんかを使うことが多いからです。

先に確認をとっておかないと、貼ったあとで「この素材じゃダメですね」と言われてしまったら、大変なことですからね。

 

【電気工事】単相200Vのオーブンが使用できるようにする

 

電気工事は電気屋さんにお願いしました。

工事内容は単相200Vのオーブンが使えるように、配線することです。

工房の隣の部屋まで、エアコン用の200Vの線がきていたので、それを延長して工房側にまわしてもらい、外付けでコンセントを作ってもらいました。

壁に穴を開けたりと少し手間のかかる工事でしたが、少しでも勉強したいなと思い、電気屋さんのお手伝いをしながら進めていきました。

 

【水道工事】手洗いと食洗機を使えるようにする

 

水道工事は水道屋さんにお願いしました。

菓子製造業の許可をとるには2層シンク(もしくは1層シンク+食洗機)に加えて、手洗い設備が必要になります。

工房を作った部屋には一般的な家庭用のキッチンが設置してあったので、その横に洗面台と食洗機を置くことにして、水道屋さんには給排水工事をお願いしました。

キッチンや洗面台がタカラ製で、ホーローという素材なので穴を開けるのも大変でしたが、水道屋さんがお一人で頑張ってくださいました。

 

機器や道具の購入、設置

最後に、機器や道具を買ったり、すでにあるものを設置したりしていきます。

保健所には施設の図面を提出しないといけないので、配置はそのとおりに。

パン工房ほとりは自宅の2階につくった工房なので、オーブンや大型のラックの設置はとても大変でした。

なにしろオーブンは80kg近くあるし、ラックは高さが180cmもあるので、階段をあげるのも一苦労。ラックはロープでベランダから釣り上げました。

作業台も、保健所に素材の確認をして、プラスチックの業務用まな板を購入しました。

 

保健所に申請、審査

内装工事が終了したら、書類を書いて、保健所に申請をしにいきます。書類は保健所に相談にいったときに貰いましたが、HPなどからダウンロードもできるようです。

事前に何度も相談していたので、申請はスムーズに終わりました。ちなみに申請費用が15,400円(たっか!)。

申請と同時に、審査の日程を調整します。今回は申請をした日のうちに審査も行うということで、3時間ほど後に保健所の方が工房に来られました。

審査はチェック項目を確認していく形で進みました。これも、事前に何度も相談していたので、あまり引っかかることもなく終えることができました。

 

営業許可が下りてからがスタート

まだ正式に許可が下りたわけではありませんが、審査もおそらく大丈夫ということで、「やっと、ここまできた」という気持ちです。

 

仕事を辞め、結婚を決め、故郷にUターン。

場所を探し、材料を集め、試作を繰り返し、クラウドファンディングに挑戦。

そして、工房づくり。営業許可申請。

 

僕にとっては、その1つ1つが、今まで体験したことのない、小さな挑戦でした。

そして、ここまで何とか、やってくることができました。

 

しかし、今はまだスタート地点にも到達していません。オープンしてからが、本当の挑戦。パン工房ほとりの挑戦は、ここから始まります。

クラウドファンディングをはじめ、応援して下さっている皆さんのおかげで、ここまで来ることができました。

 

いつも応援いただいて、本当に嬉しいです。ありがとうございます!

引き続き、応援よろしくお願いします!