パン屋さんを開業する方や経営している方で、
- 一般的な原価率ってどのくらいなんだろう?
- 原価率の具体的な計算方法はどうしたらいいの?
と思う方もいらっしゃると思います。
結論からいえば、次のとおりです。
- 原価率とは、売上のうち原価の占める割合
- パン屋さんの原価率の目安は30~35%ほど
- 原価率は、パン屋さんの経営状態の良し悪しを知る指標の1つになる
- 原価率に影響を与えるのは、パンの種類、材料、そして販売価格の3つ
僕も実際にパン屋さんで働くまでは、まったく知りませんでした。
この記事では、10年近くパン職人として仕事をしている僕が、パン屋さんの原価率について解説します。
この記事を読めば、
- 原価率とは
- 原価率の計算方法
- 原価率が大切な理由
- パン屋さんの一般的な原価率
- どういったものが原価率に影響するのか
といったことの理解が進み、パン屋さんの原価率についてマスターできるようになるでしょう。
目次
原価率は、売上のうち原価の占める割合のこと
原価率とは、売上のうち原価の占める割合のことです。
式で書くなら、次のようになります。
原価率(%) = 原価(円) / 売上(円) * 100
たとえば、
- 売上:100万円
- 原価(材料を買ったお金):20万円
であれば、
原価率 = 20/100*100 = 20%
つまり、原価率は20%になります。
ここまでは簡単ですね。
商品1つあたりの原価や原価率を計算する方法
商品1つあたりの原価率を計算する場合は、次のようにします。
【商品1つあたりの原価率の計算方法】
- 商品1つあたりの、それぞれの材料の重さを計算する
- それぞれの材料について、1g当たりの原価を計算する
- 1.と2.をかけて、商品1つあたりのそれぞれの材料の原価を計算する
- 3.で計算した値をすべて合計すると、商品1つあたりの原価が計算できる
- 4.を売値で割ると、商品1つあたりの原価率が計算できる
こう書くと難しそうですが、具体例があるとそれほど難しくないと思います。
「パン屋における商品1つあたりの原価率を計算する方法」では、具体例を挙げてさらに詳しく解説しています。
原価率が大切な理由は、経営状態を示す指標の1つになるから
原価率を把握するのが大切なのは、それが経営状態の良し悪しを知る材料になるからです。
ざっくりいえば、次のようなイメージです。
- 原価率が低い場合
- →売上から材料費・人件費・家賃などを引くと、お金が残りやすい
- つまり、利益がでやすい
- 原価率が高い場合
- →売上から材料費・人件費・家賃などを引くと、お金が残りにくい
- つまり、利益がでにくい(赤字になりやすい)
もちろん、経営状態の良し悪しには、人件費・家賃・借り入れの返済といった数字も大きく関わってくるので、あくまで原価率は指標の1つとして考えると良いと思います。
では、パン屋さんの一般的な原価率をみていきましょう。
パン屋さんの一般的な原価率の目安は約30~35%
パン屋さんの一般的な原価率は約30~35%です。
これくらい抑えられていれば、パン屋さんの中では一般的な商売をしているといえるでしょう。
もし大きく上回っている場合は、上で述べたように「利益がでにくい」状態である可能性があります。
もちろん、これはあくまで目安です。たとえ原価率が35%以上でもしっかり利益がでているお店もあります。
原価率に影響を与えるのは、パンの種類、材料、そして販売価格の3つ
原価率は、次のもの影響を受けやすいといえるでしょう。
- 作るパンの種類
- 使う材料
- 販売価格
どんな種類のパンを作るかによって、原価率は変わる
作るパンの種類は、原価率に大きく影響します。
たとえば、食事パンは原価率が低くなりやすいです。
なぜなら、食事パンは生地に具を入れず、そのまま成形したものだからです。
具というのは、
- あんこ
- クリーム
- ソーセージ
といったものです。これらはどうしても原価が高くなりがちです。
そのため、具が入っていることが多い菓子パンや惣菜パンは、原価率が高くなりやすいです。
食事パンの具体例としては、
- 食パン
- バターロール
- バゲット
- カンパーニュ
などになります。
食パン専門店が流行っているのも、原価率を抑えやすいのが理由の1つだと思います。
高級な材料なら原価もあがり、原価率も高くなりやすい
原価率は、材料の品質にも影響を受けやすいです。
- 品質の高い、高級な材料を使う
- →原価が高いので、原価率は高くなりがち
- 品質が普通の、お手頃価格の材料を使う
- →原価が安いので、原価率を抑えやすい
もちろん、販売価格をいくらにするかによって原価率をコントロールもできます。
しかし、一般的な価格より高くする場合は、
- POP、販促物で価値を示す
- 直接、お客さんと話をしてアピールする
といった、納得してもらう工夫が必要になるでしょう。
販売価格を変えれば、それに連動して原価率も変わる
上でも述べたとおり、原価率は販売価格でコントロールできます。
基本的な考え方としては、次のようになります。
- 原価率を下げたい
- →価格を上げる
- 原価率を上げたい(基本無いと思いますが…)
- →価格を下げる
つまり、
- 目安となる原価率を先に決めておく
- それに合わせて価格を決める
という手順をとれば、原価率が目安から大きく離れてしまうことはありません。
しかし実際にお店を経営すると、
- 原価率は適正だけど、他のお店の価格と違いすぎて全然売れない
- 原価率は適正だけど、大きさの割に高すぎてお客さんの反応が悪かった
- 自分のお店の目玉商品なので、少し安めに設定して数を売れるようにしたい
といったようなことが日々、起こります。こういった場合は原価率にこだわりすぎないほうが良いでしょう。
原価率はあくまで目安。
実際の状況に合わせて価格と原価率のバランスをとりながら、コントロールしていくことが大切です。
関連記事:パン屋さんにおける商品の価格を決めるためのポイント
原価率をマスターして、パン屋さんの開業・経営に活かそう
この記事では、パン屋さんの原価率について、目安や考え方のポイントを解説しました。
結論からいえば、次のとおりです。
- 原価率とは、売上のうち原価の占める割合
- パン屋さんの原価率の目安は30~35%ほど
- 原価率は、パン屋さんの経営状態の良し悪しを知る指標の1つになる
- 原価率に影響を与えるのは、パンの種類、材料、そして販売価格の3つ
原価率について理解すれば、パン屋さんの開業や経営にも役立つこと間違いないでしょう。
ぜひ、理解を深めてくださいね。
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